コーヒーが好きな森

ある男が、日常を書に認めるゾォ!

黒アワビは大人の味でした。

 

こんにちは、

今日誕生日の男、ミッシェル森です。

 

 

 

お祝いに、カウンター寿司をご馳走になりました♪♪

 

 

ちょっとお高めで、上品なんです。

 

 

 

緊張しながら、

カランカランッと店に入ります。

 

 

寿司酢と生魚の香り

 

 

 

コの字型のカウンターの中心にはミニ厨房がありまして、

その中で板さんが、ふっくらと湿った大福みたいな手で素早く、繊細に寿司を握っていました。

 

 

その正面には、

常連のおじさんが意気揚々と熱弁を振るいます。

 

 

 

「アワビはね、身はそうでもないけど、

肝が美味いのよ!」

 

 

「大将、いつものゲソのやつ頂戴!」

 

 

「この、生簀のヒラメ捌いてよ。

見てて可哀想だよ!」

 

 

 

 

 

ああ、なんか寿司屋の雰囲気だ…ッ。

 

 

 

 

おじさんの大きい声のウケ狙いと、

横暴な振舞いが、

28歳にして、ようやく愛らしく感じれるようになってきたのかもしれないです。笑

 

 

 

お任せ8貫コース+茶碗蒸しに、

生中1杯と日本酒を1合

 

 

 

もうわかったから、黙って食え!

って怒られるくらい“うまい”って、

何回も言いました。

 

 

 

 

 

酔いもまわって、お腹も膨らんできて、

ぼんやりしていると、

 

 

「まだ、食べたいものありますか?」

 

と、大将。

 

 

 

 

ちょうど手元で捌かれていた黒アワビ。

 

それを注文しました。

 

 

 

 

 

ゲタにポンと乗せられた、アワビ軍艦。

キラキラと輝く白い身とコントラストを成す苔色の肝。

 

 

 

最後の最後にやらかしてきました。。

 

 

 

これはすごい。

旨味の疾風が吹きすさんできて、

細胞がロックされる感じ

 

ずっとモギュモギュしたくなる、

あの、“美味しい”の最上級の、…アレです。

 

 

 

つまり、言語化不可能な美味しさだったんですね。

 

 

そして、大将はおまけのようにちっちゃい“エンガワ”をくれました。

 

 

潮の香りが強くて

一歩間違えば、“臭い”になりかねない、

生のアワビの弾力がすごくて

“ゴムみたい”になりかねない、

絶妙な珍味。

 

 

締めくくりのアガリによく合う品なんだこれが。

 

 

 

まあでも、ここまで話してきてなんですが、

やっぱり、寿司屋に限らず、

飲食店を好きになる要素って

ネタの鮮度とかシャリの温度管理とか

食べ物の理論武装とかの話じゃなくて、

食物と、店と、人、雰囲気全てが相まっての評価なんだなって改めて思いました。

 

 

美味しかったのはもちろんのこと、

文句垂れのオヤジさんの話をまた聞きに行きたいとおもう、28歳の門出でした。